1.ITコーディネータ/和田喜充氏(2)

2008年06月23日12:00
今月の物語の主人公は・・・
和田喜充さん

1.ITコーディネータ/和田喜充氏(2)


◆和田喜充さん プロフィール
ITコーディネータ。静岡市清水区出身。大学卒業後地元IT企業に就職。地域プロバイダ事業の立上げから運営に10年間携わり、ITコーディネータの資格取得を機に、より地域に根ざした活動を志して独立。現在は、磐田市に拠点を移し、静岡県西部を中心にフリーのIT経営コンサルタントとして、ビジネスブログのエキスパートとして活躍しています。
和田さんの仕事は、経営とITの両面から企業経営に最適なIT投資を支援・推進すること。中小企業や商店でのホームページ活用に関する支援を得意とするほか、まちづくり活動などにも積極的に関わり、県内だけでなく県外での講演やセミナーでも活躍しています。

◆ダンディのるつぼ Deluxe http://dandy.hamazo.tv/
◆ジョイプランツ http://www.joy-plants.com/
◆ITコーディネータ協会 http://www.itc.or.jp/

※聞き手は、(株)しずおかオンライン代表/海野尚史です。
※この記事は、全2回のインタビューのうちの2回目です。 ≫1回目を読む

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「ブログは、日々のプレゼンテーションだ」 後編

-ネットを語る時、どうしても外の世界へ目がいきがちですが。

和田/僕はネット黎明期からこの世界で仕事をしてきましたが、当時は今以上に、“グローバル”だとか、“ワールドワイド”、“地方から全国へ”など、地方から世界へ、みたいなことばかり言われていた。

でも、その頃からぼくは“地方”にこだわっていた。プロバイダ勤務時代から今にいたるまで、僕の一貫したテーマは“地域情報化”なんです。実際、自分を振り返ってみても、全国に向けて何かを発信したいことなんて滅多にない、と思いませんか。どこでもつながる携帯電話にしても、通話もメールもそのほとんどはリアルで接している人、身近な人とのやりとりがほとんどですよね。ネットも同じじゃないかと・・・。もちろん、全ての人が同じだとは言いませんが。

-ブログは誰に向けて書いていますか?

和田/誰に向けて書くかは、人によってそれぞれだと思います。僕の場合ははっきりしていて、読んでほしい人は、すでにリアルで面識のある人です。私の仕事(ITコーディネータ)は、ネット上だけでは仕事になりません。直接お会いして、はじめてビジネスの土俵に上がります。

「この人と会ってみたい」
「この前お会いしたけど、意外と面白いこと考えている人だね」
と思っていただき、ブログを通じて、“すでに会ったことのある人に、より理解を深めていただくこと”、“名刺交換した時には時間がなくてお話ができなかったことをブログで伝える”“これから会う人が、僕のことを知っていただくヒントを提供する”ために書いています。
ですからいつも、すでに実際に面識のある人を思い描いて書いてます。

-更新頻度は意識していますか?

和田/更新頻度は決めていません。日に1件の時もあれば、何も書けない時もあるし、1日に4件、5件と書き込むこともあります。私の場合は仕事柄、初めての方にブログを勧めることが多いので、あえてスタイルを固めすぎないで、いろんなバリエーションを試してみようと心がけています。なによりもブログは続けることが力になるツールなので、更新頻度よりも、“継続してもらうこと”に重点をおいています。

ブログはホームページより簡単だといっても、実際にはそれでも継続できない方もいます。そんな方が、本当にいい仕事をしていたり、いいものを作っていたりする。でも、その方が声を発してくれないと、誰にも伝わらない。“どんな些細なことでも、声にして、言葉にして、見える形にすること”が大切ですし、習慣にしてほしいですね。

だから、まずは僕自身がそれを実践していこうと。僕の場合は、何か言いたいことを思いついた時には、携帯からひとこと書き込んでおきます。それから、ちょっと余裕がある時にPCからじっくり書いて、補足したりしています。

-ブログを書き続けるモチベーションは何?

和田/リアルで反応があった時に「書いててよかった!」と思います。コメントやアクセス数は参考にはしますが、実はそれほど気にはしていません。むしろ、どこかで人が集まった場で「ブログ見てますよ」「この前、こんな話題を書いていましたね…わたしはこう思うんだけど…」などと、そこから話題を切り出してもらったときがうれしい。

-数多くのブログやブロガーさんを見て、印象に残る成功事例はありますか?

和田/個別での事例はたくさんありますが、もう少し大きな視点からみて実感していることがあります。ブログを始めた地域のブロガーさんたちが、ネット上だけでなく現実の場面でも、積極的、行動的になっていく。そんな姿をたくさん見てきました。それまで控えめだった方が、自分のお店を地域の人に紹介して、興味や関心をもっていただくためにブログを書きながら自らアピールするようになっていく。

「ブログは、日々のプレゼンテーションだ!」と思っているのですが、みなさんがブログから飛び出して現実の生活の中でもプレゼンテーションする力を持ち始めている、それこそが、地域ブログが起こした一番大きな変化だと思います。

-「ブログは、日々のプレゼンテーションだ!」って、言い得てますね。わたしも同感です。

和田/仕事柄、中小企業さんや商店さんの支援のお仕事をする機会が多いのですがいつも感じるのは、このプレゼンテーション力の弱さなんですね。
 「いいものをもっている」 「いいモノをつくっている」 「いい人なのに…」
その一方で “誰にもそれを伝えていないよ” “わかってもらってないじゃん!”と感じる場面がよくあるわけです。
地方が大手に負けているのは、そのプレゼン力でおされてしまっていること。広告予算もプロモーション力も組織力も持っている大手さんに、どう対抗していくか。がっちり勝負していくには、自分たちが、自分のことをきちんと語るプレゼン力を身につけることが大切です。

浜松の「はまぞう」は、いまでは5000人以上の方がブログで情報発信しています。経済規模がどれほどか、数値計算したことはありませんし、大きな産業に比べれば目立った変化はおこしていないかもしれない。

◆はまぞう http://www.hamazo.tv/

でも、地域の小さなお店、企業、個人が、輝いて、目立って見える場面は確実に増えたと思います。

そういった元気な個人や中小企業や商店が、一つひとつは小さな星かもれないけど、全体としてみると、一面が輝いて見える星空のような地域になれたらうれしいですね!

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Posted by eしずおかコラム at 2008年06月23日12:00 | 1.和田喜充さん
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