37.CIELOAZUL(シエロアスール)代表/青木絵里花氏(3)

2015年04月30日12:00
今月の物語の主人公は・・・
CIELOAZUL代表・青木絵里花(あおきえりか)さん

37.CIELOAZUL(シエロアスール)代表/青木絵里花氏(3)
 静岡市清水区生まれ。大阪の雑貨会社勤務後、20代前半で独立起業。1997年に静岡市葵区伝馬町にセレクトショップCIELOAZUL(シエロアスール)を、3年後にカフェcielo azul cafeをオープン。その後、常磐町への出店を経て、現在は鷹匠を中心に4店舗を経営。2015年1月には葵区駿府町に、バー「小サイ」をオープン。起業以来17年にわたり、静岡市の中心市街地“おまち”で人気店を経営している。

CIELOAZUL/シエロアスール(洋服、雑貨)
ブログ「cielo azul Material」
 (心地良いを纏う日々)

◆cielo azul cafe/シエロアスールカフェ(カフェ)
◆NAVY.WO Shizuoka
 /ネイビー・ウォ静岡(洋服) 
◆小サイ/コサイ(バー)


※聞き手は、(株)しずおかオンライン代表/海野尚史さんです。
※この記事は、全3回のインタビューのうちの3回目です。
≫1回目のインタビューはこちら
≫2回目のインタビューはこちら

※インタビューはバー「小サイ」にて行いました
・・・・・・・・・・・・・・・

|いつも今が一番楽しい!

-鷹匠に来て、お店づくりが大きく変わりましたね。

青木/そうなんです。流行っているものや、お店や問屋さんの都合で売りたいものではなく、お客さまに「これを買って本当によかった」と心から思っていただけるものを売りたいんです。

-ええ。

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青木/これね、言葉では聞き慣れていると思いますが、実行するのは本当に大変なんですよ。なかなかできないんです。わたしもね、それができるようになるまで何年もかかりました。

-理念だけでは、食べていけませんからね。

青木/理念を通すには、こころを鬼にしてかからないと実行できません。

-でも、それを続けていくとお客さまも変わってくるんじゃないですか。

青木/そうなんです。だんだん似た者同士が集まってくるようになりました。

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青木/堅実で、品質が良く安全、そのうえでオシャレなものが好きな仲間がね。楽しく生きたいという気持ちが強くて、買い物を楽しんで、買ったお洋服を長く着続けることにもよろこびを感じられる人たちかな。

-はい。

青木/強い気持ちで選んだ商品を、お客さまに提案しながら売っていると、それがすこしずつ現実になっていくんですよ。これは、お店の力じゃなくてお客さまがすごいんです。

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-お話を聞いていると、青木さんは今が一番楽しそうですね。

青木/いつも一番楽しいですよ。でも、今が一番充実した仕事をしている感じがします。


|地域密着で遠方からのアクセスもよい鷹匠

-2011年には、鷹匠1丁目に新静岡セノバがオープンしました。

青木/セノバのオープン前後は、鷹匠の買い物客が減るんじゃないか、とかいろいろ心配する声もありました。でも、振り返ってみればなにひとつ変わらなかったですね。

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青木/鷹匠はやっぱりどこか城下町ですし、完全な地域密着のエリア。今も変わらず、落ち着いて商売ができる場所です。

-具体的には、どんなお客さまが買い物にくるのですか。

青木/お客さまは、ふたつのタイプに分かれます。ひとつは、ここから北安東あたりにお住まいの方。歩きか自転車で気軽に寄ってくれて、日常の買い物を楽しんでいる地域のお客さまです。

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青木/もうひとつは、品質の良いものを求めて来られる方。こちらは県外の遠方からも来てくれます。どちらのお客さまにとっても鷹匠は、アクセスがよくて、ゆっくり買い物ができる場所です。

-静岡でも鷹匠は、希少な場所ですね。


|まちづくりに参加して気づいたこと

-ところで青木さんはある時期、鷹匠を紹介するフリーペーパーを作ったり、商業都市しずおか戦略会議や静岡市商業振興審議会の委員になるなど、地域のまちづくりの活動にも積極的に取り組んでいましたよね。

青木/はい。フリーペーパーは鷹匠を知ってもらう目的ではじめたんです。イベントもやりましたが、結局は一時、観光的な人が増えるだけで、継続的な集客にはつながりませんでした。

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青木/いろいろとがんばってみましたが、結局何の力にもなれなかったです(笑)。わかったのは、常日頃からお客さまに買い物を楽しんでいただくために、個々のお店が努力すべきだということ。

-まちづくりに参加して気づいたこともあるんじゃないですか。

青木/ゾーニングを知るきっかけになりました。こんなに狭い“静岡のおまち”でも、エリアごとに特徴があると気づかされました。

-といいますと?

青木/呉服町は、歩きたい町、買い物を楽しむ町。デパートがあって、都会からやってくる新しいお店と、古くから地元で商売している老舗が共存しているところが魅力です。両替町は、飲んだり遊んだりする町。

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青木/そして伝馬町は、新しい人が挑戦する町。伝馬町商店街の方は、みな懐が深くて、新しいものや若い人を受け入れる器の大きい方がたくさんいます。だから、わたしの中の伝馬町は、挑戦する町なんです。


|今はずっとここでやっていくつもりです

-それで、鷹匠は?

青木/鷹匠は、ほかのことに気を取られることなく、お客さまのことに集中できる場所です。ここでの買い物は、お客さまにとって生活の一部なんです。

-そうなんですね。

青木/ですから、一度買っておしまいの関係ではなくて、今回の延長線上につぎの買い物がある、と意識しながら、ひとりひとりのお客さまの買い物の一助になることが、お店の役割だと思っています。

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-挑戦する町の伝馬町で初めてのお店を開いて、常磐町でも経験から学んで、たどりついた鷹匠は、青木さんが一番自然体で商売できる場所だった。振り返ってみれば、理想的な展開のようにみえます。

青木/いえいえ、振り返ってみればおこがましかったってことですかね(笑)。でも、鷹匠はわたしが一番やりたいことを表現できる場所。一時期、東京への移転を考えたこともありますが、今はずっとここでやっていくつもりです。ここまできたら、いつまでも「ばかなことやってるなぁ」と笑われる存在でい続けたいですね。

-青木さんがお店をつづけている間は、静岡の「おまち」は大丈夫ですね。


|上手な買い物で人生を楽しもう

-最後にお聞きしたいのですが、青木さんから見て、この18年で静岡の人は変わりましたか。

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青木/変わりました。一口でいうと、地味になりました。

-若い方も?

青木/そう。オシャレを楽しまなくなった気がします。東日本大震災の影響もあると思いますが、この3~4年は特に地味になった印象です。目立ちたくないとか、お金を使うことや遊ぶことに罪悪感を感じているような気がします。

-なるほど。

青木/けれど、お金というものは上手に使って生活を楽しむことが大切ですし、そこに暮らしている人が生活を楽しむことで地域の経済は回っている。そういうこともお伝えしたいです。

-はい。

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青木/それから、いい買い物をするとストレス解消できるうえに、人にやさしくなれます。明日も頑張ろうっていう気持ちも湧いてきます。上手な買い物には、大きな力があるんです。

-上手な買い物は地域経済を支えるだけでなく、ひとをやさしくする力もあるんですね。

青木さんのお話を聞いて、地元で買い物をすることに希望を感じられました。わたしも静岡の“おまち”歩きをもっと楽しんでみようと思います。今日はありがとうございました。


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◆CIELOAZUL代表・青木絵里花さんへのインタビュー/完


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Posted by eしずおかコラム at 2015年04月30日12:00 | 37.青木絵里花さん
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