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45.公益財団法人 するが企画観光局/片桐優氏(3)
2017年11月29日12:00
今月の物語の主人公は・・・
公益財団法人 するが企画観光局 CMO(チーフ・マーケティング・オフィサ-) 企画開発部長、地域連携戦略室長・片桐優
(かたぎり ゆう)さん
京都大学大学院卒業後、マーケティングリサーチ業界国内最大手である株式会社インテージに入社。主に消費財メーカーの商品開発、マーケティング戦略立案プロジェクトに従事。新規サービス・事業の立ち上げや部長職を経て、平成26年、日本最大の料理レシピサイトを運営する、株式会社クックパッドに入社。クックパッドではトレンド調査室の責任者を経て、平成27年1月、広告事業のマネジメントを担当する広告事業部長職に着任。平成29年4月から現職に就任。
◆
公益財団法人 するが企画観光局 公式ホームページ
◆
公益財団法人 するが企画観光局 公式フェイスブック
※聞き手は、(株)しずおかオンライン代表/海野尚史です。
※この記事は、全7回のインタビューのうちの3回目です。
≫第1回 静岡県中部地区の認知度の低さが浮き彫りに
≫第2回 「どうすれば露出につながるか」を、最初から設計して組み立てる
≫第4回 首都圏の教育意識の高い30~40歳代の高所得世帯に向けて
≫第5回 お茶にまつわる体験の提供で高付加価値商品を開発
≫第6回 ソフト開発と人材育成がポイント
≫第7回 ヒト・モノ・カネのすべてにおいて投資意識を変える
・・・・・・・・・・・・・・・
|第3回 人は「場所」と「できること」をセットで記憶する
海野
観光地の情報は、どうやって頭の中にストックされるのでしょうか?
片桐
はい。それは、「あの場所では、あんなことができる…」というカタチでストックされていくんです。つまり「あそこに行って、あれしよう」というように、「場所」と「できること」をセットにして記憶します。でも、いまの(静岡県)中部地区は、何ができるかよくわからないから、頭の中に残らないんです。
海野
なるほど。
片桐
よく取り上げる例ですが、大井川鐵道の「機関車トーマス」と川根本町の「夢の吊り橋」は、観光資源として強くて、目的地化もされるんですけど、経済波及効果が多くありません。このふたつは「トーマス乗りに行こう」「つり橋渡りに行こう」なんです。わかります?
海野
??
片桐
トーマス号に乗ったら、帰りますよね。夢の吊り橋を渡ったら、やっぱり帰ります。つまり、目的だけになってしまっているんです。
海野
はい。
片桐
トーマス号に乗りながらこういうことを体験して、途中で、あそこに寄って、遊んで、食べて、帰ろう。というように情報をインプットして、現地にお金が落ちるようにしなければいけません。夢の吊り橋では、寸又峡に行って、つり橋も渡って、あそこでも楽しんで帰ろう、という目的地にしなければいけないんです。
海野
「場所」と「できること」をセットで記憶してもらうんですね。
片桐
ええ、中部地区をどんな観光の目的地として設計するのか、それを考えるためには、ターゲットを誰にするのかが重要になります。
海野
そうですね。
片桐
現在は、旅行のニーズも多様です。年配の方のニーズと若い人のニーズ、ファミリーのニーズ、さらに所得によってもニーズは変わります。今回の調査では、多種多様なニーズを19のタイプに分類できることがわかりました。また、観光の動機や目的地選択に関しては「子どもや恋人など同行者の満足度」を重視するという回答も目立ちました。
海野
興味深いです。
片桐
では、それらを踏まえて、この19タイプのうちどのような観光ニーズの人に着目するのがいいでしょうか。それらをマーケティング手法で分析してみました。結果、東京・神奈川・名古屋などの都市圏に暮らしていて、一定以上の所得があって、教育に対する意識の高い、30~40歳代の世帯、このような人たちがいいのではないかと考えています。
海野
そうですか。
片桐
ここでの教育とは、有名校・有名大学への受験や進学だけに還元されないものです。例えば、教養とかプログラミングとか、国際感覚とか日本のカルチャーの理解とか…。エスタブリッシュメント層から必要とされるような力を伸ばせる、機会と場の提供です。
海野
ええ。
片桐
このような人たちは、お子さんに「非日常的な体験を通じて成長してほしい」という意識を高く持っています。でも、そのような場所は、日本全国探してもなかなかありません。
海野
潜在的なニーズはあるけど、受け皿になる場所がない、そこに可能性があるわけですね。
片桐
はい。ではそのような人がどこに出かけているかというと、関東の人は、伊豆や箱根あたりです。このあたりは、ニーズに応えてくれるから出かけるのではなくて、いまの限られた選択肢の中では、アクセスがよくて、利便性がよくて、よく知っているから、という理由で選ばれているんです。
海野
それら以外に、頭の中に目的地化された場所がないから?
片桐
そうです。ですから、彼らのニーズにきっちり当てはまるような目的地を作っていくことができれば、多くの人に来ていただいて、お金をおとしてもらうことが可能なんじゃないかと思います。
海野
可能性が見えてきました。
片桐
中部地区は、自然資源が豊富ですし、ロケーションもよく、気候も温暖で冬場に来てもらうこともできます。さらに、多様な水産資源や産業があるので、学びたいという欲求に応えることのできる様々なプログラムも用意できます。
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