19.しずおかGENTEN理事長/鈴木智子氏(1)

2013年04月08日12:00
今月の物語の主人公は・・・
NPO法人静岡県大学生大学院生ネットワークしずおかGENTEN 鈴木智子 さん

19.しずおかGENTEN理事長/鈴木智子氏(1)


1987年焼津市生まれ。2010年静岡大学教育学部卒業。大学2年生のときから雑誌『静岡時代』の制作に携わる(2007年冬号より)。現在は雑誌『静岡時代』を発行するNPO法人静岡県大学生大学院生ネットワークしずおかGENTENの理事長。2013年4月、静岡大学大学院人文社会科学研究科に入学。これからNPO法人での活動経験と合わせて、地域社会と大学とのより良いつながりについて学び、研究していく。

大学生がつくる雑誌『静岡時代』
静岡県内の学生が、大学の枠を超えて研究室や部活、サークルなどをつなぐ雑誌。2005年活動開始、2006年創刊。4・6・10・12月発行で、発行部数1万部。静岡県内の大学および大手書店などで無料配布している。巻頭では、毎号異なる編集長が毎号異なるテーマを特集し、企画から取材、編集のすべてを学生が行っている。活動費は、雑誌広告収入、制作費、静岡県の地域社会による寄付、賛助会費などによりまかなわれている。
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◆「静岡時代とは?」編集部ブログより http://shizuokajidai.eshizuoka.jp/c30445.html
◆ウェブ版「静岡時代」 シズオカガクセイ的新聞 http://gakuseinews.eshizuoka.jp
◆フェイスブックページ 「静岡未来」 http://www.facebook.com/shizuoka.mirai

※鈴木智子さんへのインタビューは全3回に分けて公開しています。
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|学生主体で、7年間続けています

―先日、弊社の新卒採用の集団討論会がありました。今の学生は、「ゆとり世代」で「内向き思考」だとか「保守的」だとか、世の中では分の悪い報道をされがちですよね。でも、実際に会って話を聞いてみると、皆さん個性的でいろいろな意見を持っているし、学生生活も上手に楽しんでいる。世の中のことも、ぼくらが学生だった頃よりよく知っているんじゃないか、そう感じたわけです。

鈴木/そうでしたか。

―ということで、今回は静岡県内の学生がつくる雑誌『静岡時代』を発行しているNPO法人静岡県大学生大学院生ネットワークしずおかGENTEN理事長の鈴木さんに、「いまの若者は、すごいぞ!」というお話をたくさんお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。

鈴木/はい、よろしくお願いします。

19.しずおかGENTEN理事長/鈴木智子氏(1)

―インタビューにあたって、雑誌『静岡時代』のバックナンバーを読み返しました。創刊が2006年。ということは、今年で7年目。学生だけで7年間も雑誌を継続して発行し続けていることが、まずすごいことだと思いました。

鈴木/ありがとうございます。わたしが『静岡時代』の編集に関わるようになったのは大学2年生の頃で、今年で6年目になります。その間、ずっと学生が主体となって発行してきました。でも、学生には卒業という大きな区切りがあります。世代間で引き継ぎたいことを、十分には後輩に引き継ぎきれなかったという現実もあります。

―それは、どんな場面で課題だと感じるのですか?

鈴木/たとえば、取材などで生まれたいろいろな方々とのつながりを、学生の世代交代や卒業などの都合のために、どうしても活かしきれない部分がありました。これは、学生だけでの運営に限界を感じる点でもありますね。
社会の多くの皆さんが学生に協力し、応援してくださるのは本当に貴重なことです。そういったつながりを、次々に入部してくる後輩たちのためにも、『静岡時代』編集部のひとつの財産としてちゃんと伝えていきたい。また、その情報をより有効なかたちで社会に還元していきたい。そのために、編集部内だけでなく、県内の大学に通う学生どうしをつないでいけるような組織ができれば良いんじゃないかと思っています。

19.しずおかGENTEN理事長/鈴木智子氏(1)

―確かに、人脈は限りなく属人的なものですからね。

鈴木/わたしがそう感じたのは、大学時代に自分が学生のまとめ役という立場だったことも関係しているかもしれません。学生の頃からこの組織や雑誌『静岡時代』に可能性を感じていたこともあり、昨年のはじめに、今の組織の代表として再び関わっていくことを学生たちと話し合って決めました。いろいろなお話や応援のお声掛けをいただいていた時期でもあって、徐々に活動領域が広がり、新たな地域・大学の皆さんとのつながりもでき始めています。

|みんなの「静岡時代」の蓄積が、静岡という地域の記録になる

―「eしずおか」の読者の中には『静岡時代』をご存じでない方もいると思いますので、どんな雑誌なのか紹介していただけますか。

鈴木/『静岡時代』は、静岡県内の学生が大学の枠を越えて集まり、一冊丸ごと自分たちで編集・制作しているフリーペーパーです。『静岡時代』というタイトルは、「学生として静岡県で過ごした時間」というのは、どの学生にとっても、自身の人生における「静岡時代」であるということに由来しています。
学生という限られた時間の中にある一瞬一瞬の空気や、この街でその時誰が何を考えたのかということや、そんな人々のいる風景や・・・そういったものを積み重ねていけば、その蓄積こそが地域社会の大切な記録となっていくのではないか。自分たちでそれを実現したいという願いがこもっているんです。それを学生が作っていたらなんだかカッコいいなと。

―すると、雑誌のコンセプトは?

鈴木/一言で言うと「静岡県の地域社会と大学社会をつなげる」です。これをコンセプトとして、学生に向けて発行しています。街や大学の潜在的な可能性に学生が出会うきっかけを作ることで、街と大学との新しいつながりを作っていくこともできるんじゃないかと考えています。

19.しずおかGENTEN理事長/鈴木智子氏(1)

―なるほど。その思いは創刊当時からあったのですか。

鈴木/いえ、当初から「社会と大学をつなげよう」という意識がどれほど強かったかは、正直わかりません(笑)。わたし自身、学生の頃は「社会のため」という動機で参加したというよりは、自分なりに何か「やりきった感」がほしかったんだと思います。できれば「カッコいいこと」をと(笑)。今の立場で言うのも少し恥ずかしいのですが、それを満たしてくれそうなのが『静岡時代』という雑誌作りだったというのが率直な動機でしたね。

―それは鈴木さんだけではなくて、今、編集部で頑張っている学生のみなさんも同じ?

鈴木/そうですね、やはり雑誌『静岡時代』に関わりたいと思って来てくれる人がほとんどですね。

―その割に、内容は硬派ですよね。

鈴木/それは、活動のフィールドを自分たちの知っている世界だけに限定しなかったことが、この雑誌の特徴として出ているからだと思います。編集に携わった学生が皆感じることなのですが、私たちは「知っているつもりになっていること」が本当に多いということに気付きます。だからこそ街に飛び出して、社会のいろいろな方を取材させていただくんです。
わたしたち学生が知らない面白いことが身近な街の中にたくさん転がっている、その発見を読者に伝えたい。そのためには雑誌の内容をどう組み立てたらいいのだろうと悩み、考えた、学生の思考のあとが誌面に残っています。その部分を、硬派だと捉えていただけるんじゃないでしょうか。
実際には、地域の面白さや魅力に気づくことなく何となく学生時代を過ごしてしまう学生もいると思うんです。何より、『静岡時代』に出会う前の自分がまさにそうでしたから。ならば、『静岡時代』が街と大学とをつなげる橋渡し役となることで、学生が静岡県で過ごす時間を豊かにしたり、周辺社会とのより良い関係を築いていくきっかけになりたいんです。
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Posted by eしずおかコラム at 2013年04月08日12:00 | 19.鈴木智子さん
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