5.ウィングホーム株式会社/斎藤元志氏(2)

2008年11月24日12:00
今月の物語の主人公は・・・
斎藤元志さん

5.ウィングホーム株式会社/斎藤元志氏(2)


ブログ「wingchair(ウィングチェア)-ウィングホームの社長日記」を書いているウィングホーム株式会社の斎藤元志社長。ウィングホームさんは、菊川市に本社を置き、菊川市を中心に掛川市、御前崎市、周辺地域を主なエリアとして、注文住宅を手がけている地域密着の工務店さん。多くの工務店さんが新規客の獲得のために新聞折り込みなどを活用している中で、ウィングホームさんは2年ほど前からブログを積極的に活用し、自社の情報発信や顧客獲得に取り組んでいます。今回は斎藤元志社長に、ブログを始めたきっかけや、効果などについてお話を伺ってきました。企業としてのビジネスブログに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

◆wingchair(ウィングチェア)-ウィングホームの社長日記 http://wingchair.eshizuoka.jp/
◆ウィングホームのStaff日記 http://winghome.hamazo.tv/

※聞き手は、(株)しずおかオンライン代表/海野尚史です。
※この記事は、全2回のインタビューのうちの2回目です。 ≫1回目を読む


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「ブログによる情報公開で、業界のレベルアップに貢献」

-ブログに書いたことで、読者の反応を感じるときはどんな場面ですか。

齊藤/そうですね。わかりやすい例で紹介しますと、商談やプランニング中のお客さまは、私のブログをご覧になる方が多いのですが、私がブログ上でたまたま「これはいいですよ」と書いた商品を、お客さまがそれと同じものを選択する、という傾向がありますね。

例えば、屋根は、瓦がいいか、カラーベストがいいか、などについて書く時に、基準を耐震性におくか、耐久性におくか、などで選択基準は変わります。たまたまブログで耐震性について書いたときには、カラーベストはいいですよ、と書くのですが、それを読んだお客さまはそちらを選ぶ。私はお客さまを誘導するような目的でブログを利用するつもりはまったくないのですが、実際にはお客さまの判断に影響を与えてしまうのは確かです。ただ、あまり考えすぎると何も書けなくなってしまうので、あまり気にせずに書きたいこと書く、というようにしています。

-ブログの効果は、どんな場面で感じていますか。

齊藤/今ではブログが本当に大事な情報発信のツールになっていて、影響力でいえばホームページ以上だと思っています。すでにブログはあってあたり前のような存在ですので、どれがブログ効果なのか、なんて計れなくなっているのが正直なところです。ホームページは同業者であれば、内容はどこも似たりよったりですし、第一いいことしか書きませんよね。それに内容もいつも変わりません。遠方の取引のない会社を調べる時にも、ホームページではなくブログの方が相手の会社の様子がよくわかります。関連会社で輸入資材を扱っている会社があるのですが、そこには全国から問い合せや見積もり依頼がきます。そんな時も、先方の会社について、ホームページではなくてブログを見て、安心して取引できる会社かどうか判断する参考にしています。

効果という点でいえば、ひとつ確かなことがありますね。それは、私やウィングホームという会社のことを嫌だなって思った人は来ない、という点です。これはすごく大きなプラス効果です。無駄な営業やミスマッチを未然に防ぐことになりますから。お互いにとって幸せなことだと思います。もうひとつ、見えない相手に対する不安を取り除く効果でしょうか。〈eしずおかブログ〉でも、ブログを書いているお寿司屋さんは多いですよね。実は工務店も時価の寿司屋さんと同じ。見ず知らずの方にとっては、工務店の敷居は高いし、怖くて入れない。お寿司屋さんと同様に、ブログを書くのは、「中にいる人はそんなに怖くないですよ」とわかってもらいたいからだと思います。○○工務店と看板を掲げていても、怖くて入れないという方の不安を取り除いてあげることが大切。ブログはそのような不安を取り除く効果もありますね。

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-斎藤社長は〈eしずおかブログ〉を使っていただき、社員の方が書いているスタッフブログは〈はまぞーさん〉を利用されていますね。

齊藤/私たちの仕事は地域性が大切ですので、地域の方に見ていただけるブログがいい。
私は最初にココログで書きはじめましたが、その後浜松の地域ブログ「はまぞう」さんができたので、スタッフは「はまぞう」ブログで書きはじめました。2007年の1月に、取引先から静岡の地域ブログ〈eしずおかブログ〉がオープンしたと聞いて、自分のブログを〈ココログ〉から〈eしずおかブログ〉に引っ越してきたというわけです。これでウィングホームの情報を、静岡県内の中部・西部地域に発信できることになりました。

-斎藤社長は、出張時以外はほぼ毎日のように更新されています。ブログを始めて以来ずっと継続できているモチベーションは何ですか

齊藤/新しい情報発信は、成果が現れるのに1年半かかるといわれていますよね。だから最初に「1年半は続けよう」と思ってブログを書き始めました。そして、今では、お客さまのほかに取引先や社員、身内なども含めてですが、毎日約100名ほどの方が見にきてくれています。そのような私のブログを見てくれているファンがいてくれる、といことがモチベーションになっています。時々同業者のブログを見ることもあるのですが、それもブログも書く意欲を高める効果があります。

-ブログを書きはじめてから気づいたことや変化はありますか。

齊藤/変化があったとすれば、文章を書くことに抵抗が無くなったことかなぁ(笑)。もともと理系出身ですから、書くことは不慣れだったんです。以前は折り込みチラシやホームページの原稿を書くことにも時間がかかったのですが、ブログを書きはじめてから随分と早くなりましたし、苦手意識もなくなりました。

-ブログについて家族で話すことはあるのですか

齊藤/妻は私のブログを読んでくれています。でも、突っ込んでブログの話題を直接するということはないですね。仕事のことなどの深い部分についても話すことはほとんどありません。

ただ、ブログを書く以前と比べると現在の方が、私が考えていることや、思っていること、今どんな仕事に取り組んでいるかなどについて、すごく良く理解してくれていると思います。

-毎日の更新はどのようにしていますか

齊藤/事務所にいる時(出張の時以外)は、できるだけ毎日更新。毎朝出社して最初の仕事が、コーヒーを飲みながらブログを書くことです。ネタはいろいろと考えながら用意したりしますが、何を書くかはその日の朝、パソコンの前に座ってから決めます。

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-これからブログを始める方にアドバイスをいただけますか。

齊藤/アドバイスというものはとくにありません。個人としてブログ書く方は、好きなことを書いていけばいいと思います。同業者に向けてであれば、いろいろありますが…。
アドバイスではありませんが、私はブログが世の中に良い影響を与えていると思っています。同業者を例にとって言いますと、最近では工務店同士が互いのブログを通じて情報公開することで、工夫改善やサービス向上に活かしていると思います。「我が社は2プランまで無料で図面を書きます」「引渡し時にテープカットしています」「シロアリの薬の塗り方は…」など、同業者同士がセールスポイントを情報発信し、互いにいいものを取り入れる(盗む)ことで、業界全体のサービスのレベルアップにつながっているのではないでしょうか。サービス内容が画一化してしまうという懸念もありますが、そしたらまた他社がやっていないサービスを考える。ブログを通じて情報公開を促進することで、その結果、お客さまにいい家を提供することに、大きく貢献できているのではないでしょうか。

-今日は貴重なお話をありがとうございました。

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Posted by eしずおかコラム at 2008年11月24日12:00 | 5.斎藤元志さん
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