25.NPOグリーンズ理事/小野裕之氏(1)

2013年11月11日12:00
今月の物語の主人公は・・・
小野 裕之(おのひろゆき)さん

・・・ eしずおか事務局より ・・・
(株)しずおかオンライン代表・海野尚史さんが、月に一人の「気になる人」にスポットを当ててインタビューをするこのコラム、11月の人はウェブマガジン「greenz.jp」副編集長でNPO法人グリーンズ理事の小野裕之さん。先日行われたトークイベント「グリーンドリンクス静岡vol.14」より、お二人の対談の模様を紹介します。全3回のコラムのうち、第1回の今回は小野さんご自身による「グリーンズ」紹介の模様を、第2・3回のコラムでは対談内容を公開します。

グリーンドリンクス静岡vol.14 
テーマ「小野さん。ソーシャルデザインって何ですか?」
開 催:2013年10月24日(木)
場 所:コマトラ(静岡市)
主 催:グリーンドリンクス静岡 

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25.NPOグリーンズ理事/小野裕之氏(1)

小野裕之 プロフィール
おのひろゆき。greenz.jp 副編集長、NPO法人グリーンズ理事。84年、岡山県生まれ。中央大学総合政策学部在学中に出会った“Sustainable Living”の考え方と、それを教えてくれた恩師に感銘を受ける。卒業後、ベンチャー企業にて新規事業の開発や大手企業のWebプロモーションの企画制作を行い、09年より、あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデア厳選マガジン「greenz.jp」に参加。11年、副編集長に。12年にはgreenz.jpのNPO法人化にともない理事就任。編集・企画のほか、事業開発やパートナー企業とのコラボレーション業務など、ビジネス面を担当。

25.NPOグリーンズ理事/小野裕之氏(1)
ウェブマガジン「greenz.jp」


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 ここ数年よく耳にするようになった「ソーシャルデザイン」という言葉。そもそもどういう定義で語られるものなのか。その言葉にはどんな可能性が秘められているのか。
 「ソーシャルデザイン」と検索すれば真っ先にヒットするウェブマガジン「greenz.jp」。"ほしい未来"をつくるためのヒントを共有する「greenz.jp」。その副編集長である小野さんのお話です。

(以下、小野さん)
 こんばんは。
 「greenz.jp」というウェブマガジンを運営している小野と申します。よろしくお願いします。グリーンズは、NPO法人としてぼくを含めて3人で運営していて、そのほかにアルパイトとパートさんがいるので、スタッフは全部で5名です。最初に「グリーンズ」の活動を紹介する動画がありますので、こちらを見てください。



(ビデオ終了後、会場に向けて)
「greenz.jp」をご覧になったことのある方はいますか?
(約8割の方が挙手)

 わっ、すごい!もう説明は入りませんね(笑)
グリーンズが始まったのは2006年です。2006年に何があったかと言うと、「京都議定書」だったり、アル・ゴアの「不都合な真実」が話題になったりと、世の中に、“地球環境はこのままじゃヤバイ!”みたいな風潮が起こった年なんですね。そんな年に、グリーンズは生まれました。

 今は、年間700本ぐらいの記事を取り上げています。グッドアイデア、ソーシャルデザインの活動、世の中を良くしながら自分も楽しく生活していこうという世界中の活動を取り上げて、記事にしています。半分が日本で、半分は世界の記事です。読者は月間約15万人、年間で約180万人です。年齢は20~30代の方で、都心に住んでいる方が多いですね。

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 創刊時からのポリシーはふたつあって、ひとつめは、普通の人たちの新しいチャレンジなどを取り上げて、応援すること。“地球はヤバイ!”みたいな暗いニュースだけでなく、新しいプロジェクトを立ち上げたけど、なかなかフォーカスされない人たちなどを積極的に紹介したいと考えています。マス・メディアは、不幸なニュースが多い一方で、ほっこりする話題となると、「カルガモの親子」だとかの話にまで飛んでしまって、あまりに極端ですよね。ぼくたちは、新しいことにチャレンジしている人たちの活動、希望が持てるニュースを取り上げていきたいと思っています。

 それから、ニュース報道では「このままでは危ないですよ」という問題提起はするんだけど、「こうすればもっとよくなるかもしれない」ということを教えてくれないですよね。マス・メディアとしては、責任を負えない、ということもあるのだと思いますが、そこを伝えていかないと何も変わらないでしょ、というのが「グリーンズ」のスタンスです。

 ふたつめは、解決策となるかもしれないアイデアをたくさん取り上げていくことで、希望になったり、何かが動き始めていくきっかけになったり、「こういうことをやってもいいんだ」と認めあうような、そんな社会の機能を果たすことです。
「グリーンズ」では、それらのふたつを大切にして活動しています。

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 では、どんなニュースや記事を取り上げていきたいかといいますと、関わっている人が自分ごととして取り組んでいると思えるプロジェクトや、世の中のマイナスをゼロに戻すだけでなく、マイナスから大きくプラスに展開しそうなプロジェクトです。共感を呼んだり、サプライズが生まれたり、そんな一石二鳥にも三鳥にも四鳥にもなるプロジェクトがいいなと思っています。

 初めての人に「グリーンズって何ですか」と聞かれた時の答として、タグラインに「ほしい未来は、つくろう。」という言葉を使っています。「ほしい未来は、つくろう。」には、僕たちがソーシャルデザインを考える上で大切にしている思いがこめられています。

 そこに込めた思いというのは、「収入が多い方が幸せ」とか、「GDPが大きければ日本は豊か」だとか、そんな誰かが決めたモノサシではなく、自分がほしい未来を誰もが定義していったほうがいいよね、ということ。“望む未来”ではなく、“ほしい未来”という言葉を選んだのは、そのほうがリアリティがあって、前進する感じがするでしょ。

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 それから、“変える”のではなく“つくる”にしたのは、小さなことでもいいから自分が設定した未来を、自分ごととして“つくっていく”姿勢の方がしっくりくるからです。「ほしい未来は、つくろう。」というタグラインには、そんな思いを込めています。そして、「ほしい未来」を作るためのアイデアを共有するサイトが「greenz.jp」です。

 「グリーンズ」の最終的な目標は、ソーシャルデザインの生態系をつくること。そのために、ウェブマガジン「greenz.jp」のほかに、アイデアとアイデアをつなげるイベント「green drinks」という活動や、アイデアをカタチにする学校「green school」の運営。これは、同じテーマに興味をもっている人たちの出会いの場をつくることで、化学反応が起きるようなきっかけづくりと、まだ行動は起こしていない人たちが、ゼロからスタートする際の教育プログラムです。そして、未来のつくり方がわかるブックレーベル「green BOOKS」など、情報の発信から対話の場づくりまで、さまざまなプロジェクトを展開しています。

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Posted by eしずおかコラム at 2013年11月11日12:00 | 25.小野裕之さん
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