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47.Conche代表/田中克典氏（4）
2018年06月07日12:00
今月の物語の主人公は・・・
Conche代表・田中克典
（たなか かつのり）さん
1985年、三重県松阪市生まれ、愛知県稲沢市育ち。豊田工業高等専門学校機械工学科を卒業後、販売職や営業職を経験。NPOやソーシャルビジネスなどにも関わる。さまざまな職業経験を経て、2015年に無添加チョコレート専門店「Conche（コンチェ）」（静岡市駿河区高松）をオープン。
◆
Conche
※聞き手は、（株）しずおかオンライン代表／海野尚史です。
※この記事は、全5回のインタビューのうちの4回目です。
≫第1回 コーヒーと同じ波が、チョコレートにもやってくる！
≫第2回 「ビーン・トゥ・バー」は発展途上、ふつうの人がおいしいと思えるチョコレートを
≫第3回 自宅のキッチンで始めたチョコレート作り
≫第5回 チョコレート作りを通して人の役に立ちたい
・・・・・・・・・・・・・・・
｜第4回 素材にこだわり、余計なものを足さない
海野
「この仕事でやっていけそうだ」という手応えを感じたのはいつ頃ですか？
田中
手応えはいまだにありません…。1年後、2年後にどうなっているか、今でもわかりません。
海野
そうですか。
田中
でも、2年目に入った頃から、いつも買いに来てくれる方が増えたことや、「Conche」のチョコレートの味をわかって、お土産として使ってもらえることが増えてきて。ようやく、地元の方に受け入れていただけたかな、自分が作っているものに間違いはないかな、と思えるようになりました。
海野
売れ筋はどんなチョコレートですか？
田中
静岡の旬のフルーツを使った、季節を感じられるチョコレートは人気がありますね。それからマイルドで食べやすいミルクチョコレートもよく売れています。カカオの産地ごとに、これだけミルクチョコレートの種類を揃えているのはうちだけじゃないかな。カカオの特徴が感じられて、バランスがいいのもうちの特徴だと思います。
海野
ほかのビーン・トゥ・バーのチョコレート専門店とも違う？
田中
これまでのビーン・トゥ・バーのチョコレート専門店は、どちらかというと食べる人を選ぶというか、カカオの特徴を強く打ち出した、ザクっとした食感の、通好みのブラックチョコレートを売りにしているお店が多いように思います。うちの場合は、なめらかな食感で、誰が食べても「おいしい」と感じてもらえるチョコレートを目指しています。そこが一番の違いだと思います。
海野
はい。
田中
もうひとつは、食べることが体の負担にならないものを作る、ということにもこだわっていきたいです。素材にこだわり、余計なものは足さない。それが「Conche」のコンセプトなので。
海野
田中さんはショコラティエであると同時に経営者でもあるわけですが、店舗経営はどのように学んできたのですか？
田中
そうですね。経営については、やりながら学ぶしか方法がなかったです。やっていることの半分は、見切り発車なんですが…。
海野
お店を持つ、起業する、となると資金が必要になります。
田中
はい。ぼくの場合は、お店を開く前、準備期間にあたる開業までの1年間に、予想以上にお金がかかりました。製造用の機械の購入費や、試作のための原材料費、研究開発費などです。それらは貯金でなんとかまかないました。お店の運営費については、一般的な飲食店より抑えられていると思います。
海野
奥さんの反応はいかがでしたか？
田中
最初は、ピンときていなかったようです。うまくいくかどうかもわかりませんでしたし。でも、応援はしてくれました。
海野
それはよかったですね。起業では、奥さんの応援はとても大事ですし、心強かったと思います。奥さんもお店を手伝っているのですか？
田中
いえ。静岡市内で働いています。それは、ぼくが名古屋にいた頃から変わりません。
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